LOGIN「俺の仲間を傷つける者には、地獄の苦しみが待っていることを教えてやる。悪魔だろうが、神だろうが……関係なくね」
その言葉とともに、黒炎球はさらに大きくなり、周囲にいる者たちの心に恐怖の影を落とし続ける。その恐ろしい光景は、まさに闇の魔法の真髄を見せつけるものであった。
「レイニー様、デカすぎます……それ、黒炎弾ですよね?」
ディアブロが確認をした。その声には、焦りと、わずかな怯えが混じっている。
はい? 黒炎弾? 知らないなぁ〜。ディアブロの放ってきたモノをただイメージをしただけだしぃ。レイニーは、あっけらかんとした顔で首を傾げた。
「知らない〜黒炎球って感じ? 知らないけど……」
「我も、存じ上げませんが……その威力は……ここにいるだけでもダメージを受けるほどです」
ディアブロの声は、震えていた。
「あーはいはい。威力を落とせば良いんだね……心配性だなぁ……ディアブロは〜」
レイニーは、ディアブロの心配を軽くあしらった。
「は? ディアブロ様……え? あのディアブロ様?」
ダイモンが僅かにディアブロという名前を耳にした。その顔は、驚愕と、深い絶望に染まっていた。
レイニーが魔力を抑えシューと黒炎球が小さくなり、ビー玉程度に抑えられ、レイニーが指で弾くとゆっくりとダイモンへ向かっていく。見た目は弱々しく弾き返せそうで、避けるのも簡単そうに見えた。その小さな黒炎球は、しかし、確かな殺意を宿していた。
ダイモンがニヤッと笑いシールドを張ったが、黒炎球がシールドをミシミシと音を立て貫通してきた。転移を使い逃げるが追いかけてくる、徐々に迫る恐怖を味わった。その音は、ダイモンの心の奥底にまで響き渡る。
「な……なんなんですか? あれ」
ダイモンの声は、もはや恐怖に支配されている。
「あ
あぁ……もう一人の気配が、そいつかぁ。偵察に送り込んできている悪魔かと思ったけど、ちょくせつ本人が見張っていたのね。結界でも張っているのか……害意や殺意を感じなかったなぁ。レイニーは、ロディーの言葉で状況を理解した。「わかった〜。ディアブロも擬態して。もう帰るよ」「かしこまりました」 ディアブロが素直に返事をした。「え? 放置されるのですか?」 ロディーが、驚きの表情をして聞き返してきた。その瞳は、レイニーへの不安を訴えている。「ん? 放置なんてしないよ〜。俺の仲間を殺せって指示をした人でしょ……!? 逃がすわけ無いじゃん♪」 レイニーの言葉には、新たな敵への強い闘志が込められている。「伯爵様なので、ディアブロ様の加勢も必要かと……。相手は伯爵様なのです。魔力も桁違いですし、策略にも長けていますし。攻撃を仕掛けに行けば、必ず罠を張り巡らせているはずです」 心配そうな表情をしてロディーが訴えてきた。その声には、レイニーを案じる気持ちが強く表れていた。♢新たな仲間、リリスの誕生 ロディーが、心配そうな表情で見つめてくるので少し心配になってきた。「そうなの?」レイニーがディアブロを見つめた。 ディアブロが、それを無視をしてあーちゃんの姿になった。という事は、大した事ないんじゃないの? というか伯爵よりディアブロの方が上なんだよね? だったら問題ないじゃん? レイニーは、ディアブロの態度から楽観的な結論を導き出した。「さー帰ろー! 黒炎球〜っ♪ えいっ」 レイニーが黒炎球を指で弾くと、あーちゃんとロディーが黒炎球をジッと目で追い眺めていた。黒炎球は上空に登り、隠れ潜んでいる悪魔の元へ向かった。ミシミシと音を立て強引に結界を砕き、黒炎の火柱が上がり、女性の叫び声が聞こえた。黒炎球って便利じゃない? オート追尾だし、対象しか影響しないし〜放っておいてもいいし♪ レイニーは、その性能に満足げだった。
♢ダイモンの転生 ダイモンの身体が燃え尽きて魂が転生準備に入ったらしく、その魂が輝きながら俺の目の前にやってきた。あれ? 悪魔は不死の存在なんじゃ?? 肉体が復活するんだよね? 思ったのと違うんですけどっ!? レイニーは、予期せぬ事態に内心で困惑した。「わぁっ。な、なに、なに? え、おばけっ? え? こわぁーい!!」 レイニーは隣りにいたディアブロに抱きついた。その声は、恐怖に震えている。「おばけ? それは存じませんが……ダイモンとやらの魂ですね。文句を言ってくるようならば、私が消し去りますので……ご安心を」 ディアブロは、レイニーを慰めるように言った。「ちがう、いや……違います。どうか、私を配下にお願いしたく……恥ずかしながらお願いをしに参りました。どうか許されるならば、転生をしたのち配下に……」 ダイモンの声が脳内に響いてきた。その声は、必死で、どこか懇願する響きを持っている。 転生したのちに配下って……早くても15年後って事でしょ? 配下になるのは勝手だけどさぁ……そんな先のことは忘れちゃってるって。レイニーは、その提案の現実離れした部分に呆れた。「配下になるんなら、様子見も兼ねて、今ここで転生して俺に仕えてよ。それで〜なんだっけ? 従者契約だっけ? それをしてもらおうかな」 レイニーは、プカプカと浮かぶ光る魂だというモノに、ディアブロに隠れながら顔を出し言った。「私も、ここで転生をしたいのですが、転生先は選べず……悪魔界で悪魔に転生をし、生まれ育つしかないのです」 ダイモンが、申し訳なさそうに言ってきた。その声には、現状への諦めが滲んでいる。 ん……本人も望むなら、ここで転生をすれば良いんじゃないの? たぶん出来ると思うけどなぁ。レイニーは、自分の魔法の可能性を信じていた。「そう、ここ
「俺の仲間を傷つける者には、地獄の苦しみが待っていることを教えてやる。悪魔だろうが、神だろうが……関係なくね」 その言葉とともに、黒炎球はさらに大きくなり、周囲にいる者たちの心に恐怖の影を落とし続ける。その恐ろしい光景は、まさに闇の魔法の真髄を見せつけるものであった。「レイニー様、デカすぎます……それ、黒炎弾ですよね?」 ディアブロが確認をした。その声には、焦りと、わずかな怯えが混じっている。 はい? 黒炎弾? 知らないなぁ〜。ディアブロの放ってきたモノをただイメージをしただけだしぃ。レイニーは、あっけらかんとした顔で首を傾げた。「知らない〜黒炎球って感じ? 知らないけど……」「我も、存じ上げませんが……その威力は……ここにいるだけでもダメージを受けるほどです」 ディアブロの声は、震えていた。「あーはいはい。威力を落とせば良いんだね……心配性だなぁ……ディアブロは〜」 レイニーは、ディアブロの心配を軽くあしらった。「は? ディアブロ様……え? あのディアブロ様?」 ダイモンが僅かにディアブロという名前を耳にした。その顔は、驚愕と、深い絶望に染まっていた。 レイニーが魔力を抑えシューと黒炎球が小さくなり、ビー玉程度に抑えられ、レイニーが指で弾くとゆっくりとダイモンへ向かっていく。見た目は弱々しく弾き返せそうで、避けるのも簡単そうに見えた。その小さな黒炎球は、しかし、確かな殺意を宿していた。 ダイモンがニヤッと笑いシールドを張ったが、黒炎球がシールドをミシミシと音を立て貫通してきた。転移を使い逃げるが追いかけてくる、徐々に迫る恐怖を味わった。その音は、ダイモンの心の奥底にまで響き渡る。「な……なんなんですか? あれ」 ダイモンの声は、もはや恐怖に支配されている。「あ
「大人しく殺されなさい……」 ダイモンが冷たく囁くように言うと、エリゼが抵抗し動いたからか頬から血がにじみ出てきた。その赤い雫は、レイニーの視界を真っ赤に染めた。 エリゼを傷つけられたという、怒りの感情が溢れ出し、レイニーはエリゼに改めて完全遮断の結界を張った。この結界はこの世界と切り離されているので周りで何が起きようが影響を受けない。だが、何が起きているのか見えず、聞こえず、閉じ込められた感じになってしまう。空間の中に外の風景を投影してストレス軽減をしておいた。レイニーの心には、エリゼへの深い愛情と、ダイモンへの激しい怒りが渦巻いていた。 エリゼの傷は回復魔法が効かないと言っていたので、レイニーのスキルのイメージで治療した。回復ではなく、イメージで元の状態を復元した感じで、治すのとは違う。エリゼの頬の傷は、みるみるうちに消えていった。 さて、コイツをどうしよう……? 大切な仲間のエリゼを傷付けた大罪人を。背負われていたあーちゃんが、いつの間にか擬態を解き、ディアブロの姿で現れていた。その漆黒の翼は、闇の中で静かに広がる。「主よ……どうか怒りをお沈め下さい」 現れたディアブロが怯えた様子で跪いてきた。その声は、震え、レイニーの放つ怒りのオーラに怯えているようだ。「なんでさ? 仲間を傷付けられて許せるわけ無いでしょ。なに? 同族が殺されるのが嫌なわけ?」 レイニーは、ムスッとした表情をしてディアブロに言った。俺の仲間が傷つけられて許せっていうの? それで、自分の同族はゆるせって? あり得ないしっ。レイニーの言葉には、ディアブロへの不満と、エリゼへの強い庇護欲が込められている。「あんなヤツは、どうでもいいですが……。その力で攻撃は……マズイです。辺りが滅びます」 ん!? あ、同族をかばう気はないらしい。『あんなヤツ』とか言ってるし。ディアブロの言葉に、レイニーは少し驚いた。「ん? ディアブロには関係ないことじゃないの? 不死なんだろ?」「
『気配を消すってことはさぁ、知能が高くて力もあるってことだよね? 普通の魔物じゃないってことかな……』『一応、気をつけてくださいね……でも、レイニー様なら大丈夫だと思いますけど!』 随分と、過剰評価をしてくれてるけど、俺はこの世界に来たばかりで……不安なんですけど。レイニーは、あーちゃんの言葉に内心でツッコミを入れた。♢悪魔子爵ダイモン 近辺の探索をすると、遺跡のような場所を発見した。そこには小さな祭壇があり、その祭壇には祀られているのか封印されているのかは不明な場所があったが、それが開けられていた。その光景は、レイニーの好奇心を刺激し、同時に不穏な予感ももたらした。 あぁ……ここで何かをしていたのか〜? うぅーん……気配の性質が魔物ではなく、遥かに知能が高い……。それに悪意を感じるという事はぁ〜……悪巧みをしてるってことかぁ〜。レイニーは、その場の状況を推測した。 気配を消してもバレバレなんだけどね、悪意に害意と殺意を感じるし。レイニーは、相手の意図を完全に読み取っていた。「あのさぁ〜ここで、なにをしてたのかな〜?」 レイニーは、殺意のある方へ声を掛けた。その声は、どこか挑発的だ。 祭壇の陰からディアブロとは違い、人型で角が生えていかにも悪魔という者が現れた。雰囲気とオーラの感じからしてディアブロの放つ悪魔のオーラをまとっていた。その姿は銀色の長髪が光を受けてキラキラと輝き、深紅の瞳が鋭い光を放つ。高級感あふれる黒と金の貴族衣装は、歩くたびに優雅に揺れ、豪華な装飾が一層彼の威厳を際立たせている。浅黒い肌には冷たい光が反射し、頭に生えた曲がった角が漆黒に光る。まさに高貴な悪魔の子爵といった風貌だ。その存在感は、見る者を圧倒する。 その悪魔が一瞬の沈黙を破り、低く冷ややかな声で話し始めた。「……全く、見て見ぬふりをしてその場を離れてくれればよかったのに&he
気を良くして洞窟の奥に足を進めていくと、数匹のゴブリンに遭遇した。前方に現れると横穴からも現れて完全に囲まれた。まあ、知ってたけど……。レイニーは、ゴブリンの存在を事前に察知していた。 ゴブリンもこん棒を手に持ち、襲い掛かってくる。まるで軍に入りたての少年兵の様な大振りで、隙だらけで簡単に避けられるし、倒せる。レイニーは、初めての剣術を使いゴブリンの首を斬り落とした。その剣は、正確にゴブリンの急所を捉えた。 エリゼが実戦を見て、血や首を切り落としたところを見て引いてると思いきや……「うん。今度は、キレイな剣術だったよ♪ さすが、お父さんが認めるだけあるねっ」 エリゼは、ニコニコの笑顔で誉められた。人型の魔物でも抵抗がなさそうだね? 俺は少し抵抗があるんだけどなぁ……。レイニーは、エリゼの順応性に驚きつつ、自身の内心の葛藤を感じていた。♢地下湖と古びた扉 さらに洞窟の奥に進むと、小さな地下湖が現れた。その水面は薄い霧がかかっており、松明の光が反射して幻想的な光景を作り出している。幻想的で不気味にも感じる光景で、息を呑む雰囲気だった。その美しさと不穏さが混在する空気は、レイニーの心を掴んだ。「わぁ……キレイだけど……不気味だね」 エリゼも同じ事を感じていたみたい。その声には、驚きと、わずかな恐れが混じっている。「うん。幻想的でキレイだけど、魔物が現れそうな感じがするね〜」 レイニーは、警戒しながら呟いた。 湖のほとりを見渡すと、冒険者たちが置き去りにした古びた装備や道具が見え、ここが多くの者にとっての休息の場でもあったことがうかがえるし、ここで襲われたとも考えられる。休憩をしているところを襲われ、荷物や装備品をそのままに逃げたのかもね……。その光景は、過去の出来事をレイニーに想像させた。「冒険者の装備品が、不気味に見えるね〜。周りに魔物の気配は無いけど、気を付けないとね」 レイニー